この原稿を書いている2019年3月現在日本では確定申告、アメリカではインカムタックスと呼ばれる税金申告の時期で「Death and Tax」の諺通り税金と云うのは絶対的なものでこれから逃れる事は不可能です。

施設に入居している93歳の母を見舞う為1ヶ月の滞在予定で日本へ行きその間1月に母の確定申告を税務署でやって国民の義務を果たしました。

昔取った杵柄、母は会計士と云う職業を50年近くもやっていましたので70歳でリタイアした後も88歳までは自分で申告書類を作り税務署に提出していましたがアルツハイマー型認知症になりその後は私が母に代わって毎年申告をする事になりました。

母にとっては国民年金と若い頃に掛けていた生命保険会社から入る年金が総収入ですが、こんな僅かな収入でも税金徴収の対象となり毎年数万円を納付しています。 

若い頃は戦争で青春を謳歌する機会も無く、戦地から戻った父と20歳で結婚し21歳で私を産み、父が戦後の混乱期に生きんが為に会社の物資を横流しした事が発覚し親はそんな奴は家の恥になると強制的に娘を離婚させ、その後母は再婚もせずに働き続け私を育て70歳までフルタイムで働き通してやっと安住の糧として得た年金ですがそれさえも課税対象となり納得が行かないと係の方に尋ねましたら「この方の場合は離婚ですね、しかも男並みの収入を得ておられたから寡婦控除には該当しません」との返事に唖然とし「それは本人が努力し、生涯必死で働いたからこそ得られた収入じゃないですか」と私は余りの理不尽さに怒りの持って行き場がありませんでした。

1959年(昭和34年)に国民年金制度が制定されましたが、これとは別に戦後の戦争未亡人の大量発生に焦点が当てられ1929年(昭和4年)に制定されていた救護法をその後昭和20年に寡婦福祉法に改正したもので、夫が戦死した場合寡婦となった女性を保護する意味で作られた法律が戦後70年を過ぎて尚厳然と生きている事実を突き付けられました。

世の中には夫のDV(家庭内暴力)に生命の危機を感じて離婚した女性も居ます。しかし彼女達には寡婦控除は適用されす、離婚したのは辛抱が足りなかったとどこまで女を馬鹿にした話かと怒りが湧いてきます。

所得税法第81条及び同法85条でこの法律は今日でも通用しており合計所得金額が500万円以下の場合は27万円の所得控除が認められていますが離婚し自立して働いた女はその恩恵に浴する事は出来ないばかりか年金収入さえ課税対象となるのです。

アメリカも今は確定申告の時期で私もターボタックスと云うソフトを買って自分で申告をやっていますが、結婚をしているかしていないかを問う欄は有っても配偶者と死別か離婚かを問う箇所は一つも有りませんし、それによって税金が違って来る事は有りません。

「女性が輝ける社会を」と国のリーダー達は機会ある毎に言っていますがそれならそれなりの備えを十分にして対策をするべきではないでしょうか。 母の様に今迄やって来た苦労が認められない社会は平成の次の時代には無くなって欲しいものです。

Posted by:ayakopiper