伊勢志摩サミットの全日程を終えたオバマ大統領は5月27日現職のアメリカ大統領として初めて被爆地広島を訪問し、広島市の平和記念公園で原爆死没者慰霊碑への献花や、原爆資料館の視察、そして被爆者代表の3名の方々に会った訳ですが、この一連の流れと云うか実況をテレビで見ていた私は大きな感動を受けました。

私がアメリカに来て40数年が経ちアメリカの政治に触れ、自分が置かれている色々な状況を考えるにつけ私は共和党支持者となりました。この8年間のオバマ政権に対して可成り批判的な思いを抱いていた私は今回オバマ大統領が若しかしたら伊勢志摩サミットに参加した折に広島を訪問するかも知れないと云うニュースを聞いて是非それが実現する事を願ったのです。

皆さんもご存知の様に今回のオバマ大統領の広島訪問に先立ち、ケリー国務長官がその先陣として初めて平和記念公園や原爆資料館をを視察し、展示内容物について衝撃的で胸をえぐられる様な体験であったと大統領に報告し、これは是非行く必要があることと力説しています。

オバマ大統領も任期を僅かに残すばかりとなり現在はレイムダック状態となっている身ですから、ここで現職のアメリカ大統領が曰く因縁つきの広島を訪問してもさしたる軋轢は無いと判断したアメリカ政府は国民の感情を調べた結果、戦後70年も経った今この訪問に対して反発も少ない事から今回の広島訪問が実現した訳です。

私自身この原爆資料館を初めて訪れたのは50年以上前ですが、多感な時期でもあったので受けた印象はとても強く、これは絶対に核兵器の絶滅を世界中でやらなければならないと深く思いました。

そして私の子供達が中学生になった時の夏休み、子供達の祖母を訪ねて日本に行った折に二人を原爆資料館に連れて行きました。

事前にそこがどういう所か、人類が何をやったのか子供達が当然受けるであろうショックや心理的ダメージを考慮して私は出来る限りの説明をし連れて行った訳です。

見せない方が良いのか、敢えて見せた事で二つの祖国を持つ子供達にどの様な影響が出るのか、私にとってこれは大きな賭けであったのですが、子供達は人類が犯した大きな間違いに対し平和の尊さを強く認識し、当たり前の様に自由に暮らしている事がとても貴重な事だと知り、世界中から核兵器の絶滅をやらなければならないと云う事を強く感じてくれました。

セレモニーの最後の方でオバマ大統領が被爆者代表の3名のご高齢の方々に近寄って言葉を交わす場面で、お一人の方が感極まって言葉に詰まり涙を流された時に極自然に大統領はその方をハグし何事か囁いていました。

これを見た瞬間私は国家元首と云う立場を離れ一個人としてオバマ大統領を判断した時、この人はとても柔軟な考え方の持ち主で、暖かい人柄なのだと云う事が胸に伝わって来ました。

民主党や共和党と云った政党に関係なく一人の人間としてバラク・オバマ氏をとても思いやりの有る広い考え方の出来る人だと感じました。

原爆投下に対するアメリカ政府の間違いを認め、謝罪の言葉と云うものは一切無かったものの戦後70年に亘り現職のアメリカ大統領が誰一人として訪れた事がなかった広島を、今回オバマ大統領が訪問してくれた事を心から良かったと思い、長い年月が掛かってしまったけどこれが世界に向ける平和へのメッセージとして第一歩を踏み出したと思いました。

嘗て敵対したアメリカと日本と云う歴史を超越して、人類と云う一つの枠の中で次の世代へ残し、引き継いで行くべき平和の責務が私達には有ります。

今回のオバマ大統領のメッセージの中でも「私が生きている間にこの目的(戦争を止め、核なき世界にする)は達成出来ないかも知れません。しかし、その可能性を追い求めていきたいと思います。この様な破壊をもたらす核兵器の保有を減らし、この死の道具が狂信的な者たちに渡らない様にしなくてはなりません」と言っています。

Posted by:ayakopiper